皆さまこんにちは!
身体の80%がビールでできているヤノミです。
世の中なにかと大変ですが、気分だけでも夏を楽しんでいきたいものです。
さて、このコラム、今回の第6回から初めて読んでくださっている方のために、ちょっとだけおさらいいたしますね。
詳しくはぜひ連載1~5回をお読みくださいね~!
1回:小心ズ、ワールドコメディの旅「はじめまして!」
2回:小心ズ、ワールドコメディの旅「そして、海外へ!」
3回:小心ズ、ワールドコメディの旅「最高のバズ!」
4回:小心ズ、ワールドコメディの旅「北米フリンジの魅力①」
5回:小心ズ、ワールドコメディの旅「北米フリンジの魅力②」
プロが魅せる、全国の子どものための演劇とその背景
私が2005年に結成した小心ズというユニットは、これまでに大人のみならず、いろんな国の子どもたちの前でも多くのショーを行ってきました。
そして今年ついに初めて日本の子ども劇場・おやこ劇場に作品登録をしました。
子ども劇場というのは「子どもたちに優れた舞台芸術を見せる機会をつくろう」という理念のもと、1966年に福岡の母親たちが集まってスタートした民間の団体で、その後全国各地に広がっています。
もっとも多い時期には700もの団体があったとか。
よく「子どもが舞台に立ってお芝居をするの?」という誤解があるようですが、そうではなく、プロの劇団やアーティストたちが子どもたちのために公演を行います。
演劇や人形劇に限らず、音楽のコンサートや、伝統芸能や、大道芸や、さまざまなジャンルが上演されています。
それぞれの地域の団体による会費制で、だいたい2ヶ月に1本くらいの頻度で地元のホールや公民館などで舞台公演を観ることができます。
どの作品を呼ぶのかも、各団体が分厚いカタログやサイトから選ぶことになっています。
大都市に在住であれば、舞台公演にも日常的にアクセスしやすいですが、地方に住んでいる子どもたちのところにも、こうして定期的に生の舞台がやって来るというのは、素晴らしいシステムだなあと思います。
目の前で繰り広げられるドキドキわくわくのエンターテイメント
私の子ども時代には、近くに子ども劇場の団体がなかったのか、特に入会していた記憶はありません。
でも、母が新聞記事などをこまめに探しては、子どものための朗読劇やお芝居などの情報を教えてくれて、よくひとりで自転車をこいで観に行ったものでした。
そしてそれらのショーを観たときの感動は、今もしっかりと胸に残っています。
宮沢賢治の「よだかの星」を、ハープの生演奏と朗読で聴いたこと。
ハープというものを生まれて初めて見て、その音色に驚くと同時に、夜鷹の哀しさが深く深く印象に残りました。
「西遊記」のお芝居では、孫悟空が大きな声で呼ぶと、客席の後方から丸い座布団の觔斗雲がヒューン!と飛んできたこと。何度でも観たいくらい、大好きなシーンでした。
目の前で、生身で、肉声で繰り広げられる舞台の迫力や繊細さは、子どもの私の心をドキドキとわくわくでいっぱいに満たしてくれました。
あれを2ヶ月おきに体験できるなんて、どれほど贅沢なことでしょう。
う、ら、や、ま、しい〜〜〜!
今年はご存知の非常事態のために、全国の子ども劇場の関係者もたいへんに胸を痛めていらっしゃいます。
そしていろいろな工夫と対策を講じながら、子どもの文化や想像力を守り、育てていこうとされています。
子ども劇場について知らない方も案外と多いようですが、あなたの町にも昔から子ども劇場があるかもしれません。
お子さんがいらっしゃるご家庭の方は、よかったらぜひ一度、子どもNPO 子ども劇場全国センターなどを覗いてみてくださいね。
https://www.kodomo-npo.org/
全国の子ども劇場・おやこ劇場のリストはこちら。
https://www.sozosha-net.jp/oyako/oyako-list/
小心ズが登録した舞台作品「The Gardener」の予告編はこちら!
大人も子どもも一緒に楽しめる、まったく新しい人形劇です。
すべての人たち、そして子どもたちに開かれた「演劇」
演劇というのは、決してお金持ちの人々や教養のある人々だけが味わう娯楽などではありません。
それは本来、広く豊かに全てのひとたちに開かれ、さらには子どもたちにも開かれているものなのです。
このことは日本ではまだあまり知られていないように感じます。
私自身は物理的にも思想的にも、あらゆるボーダーを超えたいと思って活動しています。
国境も、人種も、民族も、世代も、性別も、ハンディキャップも。
そんなわけであちらこちらの国で、子どもたちを含むいろんなお客様の前で、舞台をやってきました。
そしてもちろん日本だけでなく、海外にも素晴らしい子どものための演劇があります。
あるいは子どものための演劇フェスティバルが!
次回は私が実際にショーを行ってきた、アメリカ、カナダ、そしてポーランドの子どもたちのための演劇祭についてご紹介したいと思います。
See you next week!
Stay safe and happy.