長い長い梅雨を耐え、命の危険さえある猛暑を耐え、そして次は台風の季節。
皆さま、お元気ですか。
私たち、我ながらよく生き延びていると思いませんか。
いったん、今日まで生きてきたことを祝いましょうよ……!
おめでとう!!!
Good job!!! 私たち!
乾杯!私たち!
さて、今回は小粋なボードビルについてご紹介いたします。
しばし浮世を忘れて、Let’s have fun!
小粋なバラエティ・ショー「ボードビル」
ボードビル(またはヴォードヴィル=vaudeville)とは「軽演劇」あるいは「演芸」とも訳される舞台芸術のジャンルです。日本で言うと寄席に近い感じでしょうか。
たったひとりのパフォーマーのみで上演することもあれば、複数のパフォーマーで構成する場合もある、いわばバラエティ・ショーです。
ボードビルはいくつもの要素で成り立っています。
・寸劇
・歌や演奏
・踊り
・手品
・話芸
・曲芸
・即興
この寸劇というのは主に喜劇で、ボードビル全体がおおむねコメディの空気をまとっています。
パントマイムやクラウン(道化)が加わることもあります。
また、踊りのなかにはタップダンスやバーレスクなど、様々なスタイルがあります。
話芸にはスタンダップ・コメディやストーリーテリング、気の利いたMC(司会)なども含まれます。
軽妙な笑いのなかにも、社会風刺や、ちょっとした毒気などが入っていることが、ボードビルならではの大人の魅力。
私の個人的な意見ですが、ボードビルは「小粋である」ことが肝要である気がします。
私の大好きなボードビリアン、James Jordanの動画をチラッとご覧くださいな。
多才な芸達者、ボードビリアンたちの魅力
ひとによって芸の種類はもちろん異なりますが、たいていの場合、ボードビリアンと呼ばれるアーティストたちは、一つではなくいろんな技を持つ「多才な芸達者」が多い印象です。
次から次へと繰り出される魔法みたいな技!
ウクレレを弾いたかと思えばおしゃべりしながら手品、ジャグリング、バルーンを膨らませて、さらにパントマイム?!
こうした驚きに満ちた、独特のテンポも重要です。
ソロショーでも、複数の演者で構成されていても、ボードビルは観客を飽きさせないよう工夫の凝らされたバラエティ・ショーなのです。
劇場はもちろん、キャバレーや屋外など、さまざまな場所で上演されるのもボードビルの自由なところ。
その上お酒によく合う舞台芸術ってところがまた、私のお気に入りのポイントなのです。
上記の画像は私の敬愛する友人たち、ブルー(左)とトッド(右)です。
彼らのカリスマ性はちょっとやそっとではなく、観た者すべてが虜になってしまう圧倒的な愛嬌と色気、そして毒とテクニックを持っています。
クラシックバレエに基づいた確かな踊りの技術をもって、エレガントなダンスからロックで艶かしいダンスまで、何でも踊れる美しきブルーは、さらに歌唱力も演技力も、美術や演出の才能も一流です。
彼女はついに自分の劇場までもオープンし、オーランド・フリンジにもますます貢献しています。
ブルーは、ひとりのアーティストである以上に、コミュニティにとってなくてはならないカリスマ的存在であり、彼女の周りにもいつも人が集まっていました。
そのブルーとタッグを組んだのは、これまた才能あふれる音楽家のトッド。
華があるとはこういうことだ!と言わざるを得ない、見事な歌声と演奏で、ブルーとの美しいハーモニーを響かせ、なおかつ観客を笑わせ、感動させます。
彼らの観客への即興での接し方がまた、常にお洒落でかっこよくて、何よりも果てしなく包容力に満ちているのも尊敬すべき点です。
マルチな才能と芸で観客を楽しませる気のいいボードビリアンたち
現代の日本のボードビリアンと言えば、上の助空五郎くんでしょう。
彼もまた私の昔からの友人であり、舞台仲間であり、飲み友達でもあります。
と、出会ってすぐに尋ねたのが空五郎くんでした。
のんびり、おっとりした優しい性格とは裏腹に、その才能や技術は驚異的で、タップダンス、パントマイム、歌、ウクレレ、作詞作曲、パーカッション、ウォッシュボード、芝居、手品、ストーリーテリングなどなど、挙げればきりがないくらい多くの芸を持っています。
長いつきあいですが、いつ観ても心を動かされずにはいられません。
マルチタレントとは、まさに彼のこと。
そして誰もが、空五郎くんのことを愛さずにはいられないのです。
劇場、ライブハウス、路上、飲み屋、どんな場所でも芸をやれる空五郎くんは、世界中に幸せを届けるボードビリアンであり、しっかりと現実に根ざした真の芸人だなあと思います。
彼の動画をぜひご覧くださいね!きっと好きになるよ。
ちなみに彼は2019年までバロン(Baron)という芸名で活動していましたので、バロンで検索してもたくさん動画が出てきますよ。
ボードビリアンたちは、相手の年齢を問わず「にんげん好き」なひとが多い気がします。
世界中の気のいいボードビリアンたちが、この難しい状況のなか、いろいろな工夫をしながら芸を届けようとしています。
彼らとまた直接会える日が来るのを、心から願わずにいられません。
それでは、皆さまもどうぞごきげんよう!
危険から身を守り、心を守り、Have a good day!