こんにちは。「ことばのき」代表の西 悠子です。
ユウコの世界の教育事情アレコレもVol5となりました!いつもお読みいただきありがとうございます。
前回のVol4から、スウェーデンにする日本人エマ・アンデションさんへの現地インタビュー編でお届けしています!
見逃した方は、こちらからご覧ください。
前回は、スウェーデンの美しい写真やエマさんのライフスタイルが垣間見えて、その大自然とのびのびとした子育ての様子がとっても素敵でした!
国全体で「子どもは資産」と捉えて、しっかりとサポートしている。そしてそれが、早い段階での“自立心”を育てることにつながっているというお話しは、聞けば聞くほど、知りたいことがたくさん出てきます!
そんなスウェーデンの教育事情ですが、今回は「実際に 子育てに具体的な違いはあるのかな~~~??」という部分や“子育て方法”など、母として参考になるようなことをインタビューしてみました!
スウェーデンでの子育てってどんな感じ?
ゆうこ
今回もどうぞよろしくお願いいたします!前回は国の子どもに関する考え方やサポート面などをお話しいただきましたが、今回は「実際に子育てに具体的な違いはあるのか」「スウェーデンの子育て方法」などを、お伺いしていきたいと思います。
エマさん
日本の皆さんに、スウェーデンの私が住む田舎での様子をお伝え出来てうれしいです!ここでは、いつも周りの人が子育てを温かく見守ってくれている、という感覚がありますね。
ゆうこ
前回の“自立心”に引き続き、今回もまた素敵なお話からスタートですね!具体的にはどういうときにそう感じるのですか?
エマさん
たとえば、外出先で小さな子どもが食事の際に食べ物や飲み物をこぼしてしまった場合も、そもそも子どもは大人と同じように上手に食事が出来なくてもおかしくありませんから、そういったことを周囲の人達もあまり気に留めない感じです。
カフェなどでそれを煩わしく思う人は、嫌なら席を移るか、もしくは最初からそんな飲食店には行かなければいいという認識がありますね。子どもの方の問題ではなく、周囲の捉え方の問題だという感覚に、健全さを感じます。
ゆうこ
おおらかな人柄の方が多いんですね!日本だと、周囲へ迷惑をかけてしまったことで、恥ずかしさや申し訳なさもあり、それで親はついつい子どもを叱ってしまいがちですよね……(涙)
やはり、前回の「子どもは資産」という考え方が全国民に浸透しているんだな~と感じます。ますますスウェーデンに行きたくなる……♪
「昔はみんな子どもだった!」がやさしさを育てる!?
エマさん
以前知り合いのカフェで働いていたのですが、お客さんは他の子どもに対して理解と寛容があり、それに毎回驚かされていました。それは、誰もがかつては子どもだったということを忘れていないかのような、自然な愛情のようにも見えました。
ゆうこ
そこそこ!昔はみんな子どもだったんですよね~~!そう思えば、寛容にもなれますよね。
エマさん
当たり前のことなんですけどね!それに、スウェーデンでは男女問わず同等に子育てをするので、育児に奮闘中の親に対する、周囲の理解と思いやりがすごくあるんです。
そんな風に、社会全体で大切に育てられた子どもが大人になった時、今度はその大人たちがまた次の世代の子どもたちを大切にできるんだろうな、と思います。私は、スウェーデンのそんなところに本当の先進国の姿を感じています。
ゆうこ
「本当の先進国の姿」……その通りかもしれませんね。
社会全体で子どもを育てる意識って、制度だけではない一人ひとりのとらえ方で変わってくるものなのかな。逆に、スウェーデン人と日本人が似ているところはありますか?
スウェーデン人はヨーロッパの日本人
エマさん
スウェーデン人は「ヨーロッパの日本人」とも言われているほど、他のヨーロッパ諸国と比較すると、日本人に共通する点がたくさんありますね。
玄関先で靴を脱ぐ習慣やペットのふんの後始末など、衛生面では日本に近いものがあるので、その点で日本人には比較的暮らしやすい外国の一つだと思います。
ゆうこ
日本以外に靴を脱ぐ国があったとは知らなかったです~!驚き!!
エマさん
他にも、電車は基本的に時刻表の時刻と大きくズレることなく来ます。
事故や故障などのトラブルにより遅れることは多いなという印象はあるのですが、それでも、特に南ヨーロッパに滞在した経験がある人なら、よほどのことがない限りスウェーデン社会がいかに時間通りに動いているか、動こうとしているか(笑)がわかると思います。
ゆうこ
イタリアなんてほんと時間通りに来ないのが当たり前だったし、電車が時間通りに来る国は日本だけだと思っていました!(笑)
でも確かに、北欧はまじめで、合理的で、几帳面な国民というイメージ!日本と似ているところが多いということは、教育制度も似ているのでしょうか?
スウェーデンの「個々を尊重する」教育制度
エマさん
義務教育は、2018年の秋から義務教育のひとつになったプレスクールクラス(6歳児クラス)に始まり、日本の小・中学校に当たる初等教育(1年生から9年生)です。その後、日本の高校に当たる3年間の中等教育、そして大学や高等専門学校などの高等教育があります。
ゆうこ
制度自体は日本と似ているんですね。
エマさん
はい。だけど、休暇多いのが大きな違いですね。
スウェーデンは、8〜12月と1〜6月の2学期制ですが、年間に長期休暇が5回もあります(秋休み・クリスマス休暇・スポーツ休暇・イースター休暇・夏休み)。
特に夏休みは長く、6月中旬〜8月中旬までと2ヶ月近くもあります。両親が共働きの場合、子どもは学童でみてもらうことができます。
ゆうこ
休みが5回とは多いですね(笑)夏休み長い~!過ごしやすい夏はたくさん遊んでくださいってことなんでしょうね。教育の内容に関してはどうでしょう?日本との違いなどありますか。
エマさん
スウェーデンの教育には「個々を尊重し、一人ひとりの良い点を伸ばす」ことに注力した教育方針があるようです。
苦手なことは苦手としてただ受け入れるだけであって、苦手教科の克服に力を注ぐ、という感じではありません。それよりも、子どもが苦手教科を嫌悪したり自信を失くしたりしないですむように注意し、子どもにストレスの少ない指導や環境が、学校にも家庭にもあるように感じます。
ゆうこ
得意分野を伸ばして、自己肯定感を高めていく教育。なんとも理想的です!
エマさん
はい。そういう観点からか、小学校では、日常的なテストが全くありません。小学生の時点でのテストにはメリットよりもデメリットのほうが大きいと考えているようです。ただ年に一度、3年生と6年生の生徒が全国学力テストを受けています。
ゆうこ
テストがないとは……日本で育った私たちからしたら信じられない制度ですね!
「個々を尊重する」という部分は日本でも言われている気がするんですけど、それが実際にどのように実現化されているかはわかりにくいなあと思っていたところです……
エマさん
長年の習慣みたいなのもありますよね。そして、スウェーデンでは「読む力」を養うことも大変重要視されているようです。
ゆうこ
なんとも興味深いキーワード!私も「読む力」が本当に大切だと感じて「国語専門幼児教室ことばのき」を立ち上げたほどです!ここは、ふか~~~く掘り下げて知りたいですね。
ぜひぜひ、次回、ふか~~~くお聞かせいただけますか?
エマさん
はい!もちろんです!
スウェーデンでも大切にされている「読む力」。
最終回のVol6では、その辺をふか~~~く掘り下げて、インタビューしてみますのでぜひ、お楽しみに!
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