みなさん、こんにちは!
8月も最終週を迎え、いよいよ次週は9月突入ですね(*^-^*)
残暑も厳しいですが、元気に乗り切っていきましょう!
さて、今週は先週に引き続き低用量ピルの作用や生理(それに伴う痛み)についてお話していきます。
ツライ生理痛やPMSで悩んでいる方、ピルを試してみたいけど副作用が怖いと感じている方はぜひ、読んでみてくださいね。
そもそも、生理痛ってなんで起こるの?
今週は月経(生理)から焦点を当てて進めていきましょう!
そもそも、なぜ、生理痛って起こるのでしょうか。
個人差はあるものの、毎月生理痛に悩まされている女性も多いです。
まず、生理とは子宮の一番内側を覆っている膜状の組織が女性ホルモン(エストロゲン)の影響でブク~っと膨れて増殖し、プロゲステロンの影響でベリベリ~っと剥がれ落ちることをいいます。
文字にするだけで痛い……(^^;
この内膜は妊娠を継続する際に必要なものですが、そうでない場合はこのように生理として対外へ排出されます。
生理の量が多い人は、子宮内膜の増殖が他人より分厚くなって剥がれ落ちる時にたくさんプロスタグランジンが放出されているのです。
プロスタグランジンとは、子宮を収縮させる働きをもつ物質で、これが痛みや炎症を引き起こす原因でもあります。
また、生理の量が多い人によく起こっている現象があります。
生理の血が卵管を通って逆流し、子宮の外へ血が流れ出ているのです。
流れ出た血はお腹の中で色んな臓器にベタベタにくっついて(癒着といいます)、慢性の炎症状態にしてしまいます。
これが不妊症の原因にもなります。
諸説ありますが、これが子宮内膜症という厄介な婦人科疾患の発生機序なのです。
こんなことが毎月起こっている子宮。
女性の多くは当たり前のように「生理は病気じゃない」と言われて、それを信じて、初潮を迎えてから閉経するまで生理と生理に伴う辛さや痛みをガマンして、上記のように必要以上に子宮を酷使しています。
ハッキリいって毎月の生理は、子宮にとっては重荷(負荷がかかっている状態)なのです。
ピルは、子宮と卵巣を良い状態に保つクスリ
ピルを内服すると、エストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが脳に働きかけて、脳の下垂体から分泌されるFSHとLHというホルモン司令塔を抑制します。
すると、卵巣の中にある卵胞の発育が冬眠状態となり排卵が起きなくなります。
ピルに含まれるエストロゲンとプロゲストンは、子宮の内膜にも働きかけ、無駄な内膜の増殖を抑えてくれます。
結果、ピル内服中は内膜が薄い状態となっているので、たとえ性交渉をして受精したとしても着床(妊娠)しにくい環境になっています。
あと、腟の奥にある頚管粘液の性状が濃厚粘稠となり、精子が子宮内に入って行けない環境にもなっています。
このようなメカニズムによって、ピルには避妊効果があるのです。
ピルは子宮内膜の過剰な増殖を抑えて、無駄な排卵を抑制し、子宮・卵巣を休ませてくれるのです。
ピルはいわば、子宮を「楽チン」な状態に保っておいてくれるクスリなのです。
ピルがこんな作用があるなんて、知らなかった!という女性も多くいらっしゃいます^^
本質を知れば、ピルは心強い味方になってくれるもの
実際、私のクリニックに来られた患者さんが重い生理痛やPMDD等で苦しみ続け、生理に悩まされ続けてきた方が多くいらっしゃいます。
月経周期によるホルモンバランスの激しい変化で鬱になる方も珍しくありません。
激しい運動をするアスリートも、月経周期でパフォーマンスが上がらないような状態になることがよくあります。
プールや海水浴、旅行や温泉、試合や発表会など、日常生活で女性が生理に悩まされるシーンが本当に多々あります。
これらを改善してくれる一つの手段として、ピルが普及すれば女性のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)ももっと向上するでしょう。
このようにピルの本質を知ることで、女性の選択肢が増えることで、あなたの心強い味方になってくれると思いませんか^^
さて、来週はピルシリーズ最終章です。
ピルの効能やメリットを理解できたところで、気になる「副作用」についてお話していきます!
それではみなさん、ハッピーな週末をお過ごしください♪
大阪なんばクリニック/TEL:06-6648-8930
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