みなさん、こんにちは!
夏真っ盛り、暑い日が続きますがいかがお過ごしですか。
さて、なかなかインパクトのある連載タイトルのおかげ(?)か、生理痛のコラムに反響をいただきありがとうございます。
女性の悩みというのはなかなか話しづらい、相談しづらい部分がありますよね。
でも、同じ女性として自分のカラダのこと、ココロのことは大事にしてほしいです。
私の連載で少しでもクリニックに行こう、相談してみようと思える女性が一人でも増えれば幸いです。
さて、今日は「緊急避妊ピル」についてお話していこうと思います!
緊急避妊ピルってどんなもの?
皆さんは「緊急避妊ピル」を詳しくご存じでしょうか。
緊急避妊ピルは、「アフターピル」とか「モーニングピル」とも呼ばれています。
1日1錠ずつ内服するいわゆる一般の「避妊ピル」とは違い、緊急避妊ピルは3日(72時間)以内の性行為後の緊急措置として行う内服の避妊方法です。
・コンドームが破れてしまった
・レイプ被害を受けた
・避妊に失敗した
といった非常時に使用されます。
緊急避妊ピルを服用することで、約80%の確率で妊娠を防ぐことができます。
望まぬ妊娠を防ぐための緊急処置といったところでしょうか。
緊急避妊ピルの成分や作用とは?
緊急避妊ピルのうち、日本で広く使われているのは、費用的にも質的にも「レボノルゲストレル錠1.5mg」です。
この有効成分は、第2世代の強めの黄体ホルモン薬です(プロゲステロンの種類と開発順で、低用量ピルは4世代に分けられます)。
経口避妊薬(OC)のトリキュラーやアンジュ、ラベルフィーユ、月経困難治療薬(LEP)のジェミーナに含有されている黄体ホルモンも、レボノルゲストレルです。
例えば、トリキュラーに含有されるレボノルゲストレルは0.05~0.075~0.125mg(3相性)です。
ジェミーナに含有されているレボノルゲストレルは0.09mgです。
ここから分かることは、緊急避妊ピルは一般のピルと比べて約20倍ちかくの大量の黄体ホルモンを一度に内服して体内での作用を高めているということです。
だからといって身体に害があるわけではありません。
緊急避妊ピルで大量の黄体ホルモンを服用することで、排卵を遅らせたり、子宮内膜(受精卵が着床する部分)の状態を変化させて妊娠の成立を防ぎます。
大事なのは、緊急避妊ピルはあくまでも緊急的に用いるものだということです。
あくまでも「緊急避妊用」で、普段の避妊法には向きません。
「アフターピルがあるから避妊をしなくて大丈夫」ということでは決してありません。
緊急避妊ピルって、いくらするの?
緊急避妊は、保健適応ではないので自費診療となります。
保健適応だと3割負担ですが、自費診療だとやはり高めです。
婦人科クリニックによりけりですが、相場は8,000~13,000円くらいです。
正規品からジェネリックのものもあります。
めっちゃ高額ですよね。
ここで私がいつも言うのは、「相手の男性にせめて半分以上は払ってもらってネ!」ということです。
でも、やっぱり、いつも支払うのは女子。腹立つわ。。。
1万円そこらする緊急避妊ピルを使うなら、普段からピルを内服しておくのが賢明かもしれません。
一般の経口避妊ピルなら、1ヶ月の費用はだいたい1,500~2,500円そこらです。
緊急避妊ピルの飲むタイミングは?
緊急避妊ピルは、アクシデントから72時間以内に服用すれば効果があります。
緊急避妊ピルは、1回1錠飲みきりタイプが殆どです。
処方してもらったら、できる限り速やかに服用してください。
性交後72時間以内に服用しても完全に妊娠を阻止できない場合もあります。
また、服用後は大量の飲酒などで嘔吐しないように注意してくださいね。
嘔吐によってお薬の吸収が十分にできない場合があります。
早い方で3~4日、通常7~10日後に生理のような出血があれば、今回の妊娠は回避されたことになります。
ただし、2週間経っても生理のような出血がない場合は受診をご検討下さい。
尿検査や経腟式エコー検査で、妊娠の状態を確認します。
緊急避妊ピルを一度でも服用すると、生理の周期が乱れる場合があります。
また、生理不順が継続する場合もあるので、そういった場合は、かかりつけの婦人科でご相談くださいね!
さてさて、今週はここまで。
次週は気になる副作用や奇形はあるのかなどについて、引き続き緊急避妊ピルについてお話していきますね。
ハッピーな週末をお過ごしください!
大阪なんばクリニック/TEL:06-6648-8930
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