みなさん、こんにちは!
レディースクリニック・サンタクルス・ザ・ウメダの藤田由布です。
連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。
まだまだ自粛は続きますが、気候も良くなってくるので活動できる範囲でリフレッシュしたいものですね。
さて、前回の「プラセンタっていったい何?プラセンタが女性のカラダにいい理由」では、たくさんのアクセスをいただきありがとうございます!
やはり女性にとって健康、美容は永遠のテーマですよね^^
さて、今回はお悩みの声も多い「貧血」についてです。
こちらも女性にとっては切っても切れない症状の一つ。
貧血のメカニズムや治療方法についてお話していきます。
女性に多い「貧血」、甘く見ないで!放置はぜったいに禁物
☑最近疲れやすい、疲れが取れにくい
☑フラフラする
☑眩暈(めまい)がするときがある
☑食欲不振で体力が落ちている気がする
☑動機や息切れがする
☑手足が冷える
☑顔色が良くない
☑便が黒い
☑スプーン爪になっている
☑集中力が続かない
☑月経(生理)の量が多い
皆さんは普段の生活でこのような体感をしたことはありませんか?
実はこれ「貧血」の症状です。
現代は特にですが、貧血に気づかずにそのまま放置している女性がめちゃくちゃ多いんです。
女性って月経(生理)もあってか貧血の状態に慣れすぎていて、「たまにフラっとめまいするけど、それほど症状が無いから大丈夫」と放置してしまいがちなんですよね……。
しかし、貧血がずっと続くとうつ病のような症状も出現します。
さらに貧血によって、肌のシミや髪のツヤにも影響してしまいます。
また、貧血の原因をちゃんと調べないと、婦人科疾患や癌や血液の病気などが隠れている場合もあるのです。
そんな、「実は怖い貧血」について、見ていきましょう。
貧血は「全身酸欠状態」
貧血とは、血液の赤血球に含まれるヘモグロビンが減って体内が酸欠になる状態を言います。
そして貧血にはいくつか種類がありますが、原因の8割が「鉄不足」によるものです。
鉄が不足すると、血液中のヘモグロビンの生成が減少してしまいます。
ヘモグロビンは普段は人間の身体の隅々に酸素を運ぶ役割をしています。
つまり、貧血の女性は、身体が酸欠状態になっているのです。
だから、全身酸欠状態となる貧血は、疲れやすく、フラフラしてしまうのですね。
貧血の身体だと、心臓は大量の血液を流して酸素不足を解消しようとして呼吸が激しくなり、心臓の鼓動が早くなってしまいます。
貧血は知らず知らずのうちに肺や心臓にも負担をかけてしまい、最悪の場合は、心臓肥大につながってしまうこともあるのです。
氷をガリガリ食べる人は、貧血のサインかも?!
お水やジュースなどを飲んだ後、氷をバリバリかじる人がいます。
わざわざ氷だけをグラスに入れてバリバリかじったり。
この氷を異常なほどに食べる症状は、氷食症(pagophagia)と呼ばれます(氷ガリガリしたくないです?/福岡 博多 漢方 カウンセリング Bloom(ブルーム)症状翻訳家 渡邊ブログ)。
内科の診断学の教科書にも書かれているように、「氷食症を見たら貧血を疑え」です。
貧血の人はなぜ氷ガリガリ食べてしまうか。これには諸説あります。
2.貧血に伴う口腔内の炎症を抑えようとする説
3.氷を噛むことによって反射的に脳血流を増加させている説
上記が要因と言われていますが、いまだ明確な機序はわかっていません。
つい氷をガリガリしてしまう"氷ガリガリさん"、定期健診で貧血の値を必ずチェックしてくださいね!
貧血の数値はヘモグロビン値(Hb)をチェック!
貧血かどうかを確かめる一つにヘモグロビン値と言うものがあります。
これは、ヘモグロビン(血色素)の濃度を調べるもの。
貧血かどうかの目安としては、ヘモグロビンの値が11g/dLに満たない場合は、身体が疲れやすく酸欠状態と言えます。
貧血を起こしている人はこの数値を下回っていることもままあるのですが、ヘモグロビン値が9g/dL以下を放置しているなんて、とんでもないことなのです。
この値を具体的に表すと、血液が1Lぐらいドバっと出血して体外に出てしまった直後ぐらいの状態です!
貧血の治療も必要ですし、原因精査も大変重要です。
便が黒いなど異変がある場合はすぐに内科を受診して下さい。
また、婦人科領域では子宮筋腫や内膜増殖による過多月経も考えられますので、婦人科の受診をお勧めします。
貧血の原因は、過多月経が原因!?
女性の場合は、月経量や回数が多いことなどにより貧血に陥ることが多いです。
これは、私の日々の診療でも本当によく実感します。
そして診察室でよく言われるのが、「自分の月経量って多いのかどうかわからない!」ということです。
それもそのはず、確かに他人と月経量を比べたことないので、実際の月経量なんて誰もわからないですよね。
しかし、難しい説明は要りません。
あちこちで難しく説明されているから、女性は混乱するのです。
簡単に言いますね。
*レバーのような塊が数回にわたりドバっと出る人
*月経中にナプキンを1~2時間おきに交換しなきゃもたない人
これらの状態の人はズバリ、過多月経です。
過多月経に慣れてしまっている人は、当記事の冒頭で触れた症状に当てはまる人がほとんどだと思います。
必要以上に出血し、体内の鉄が不足して貧血を起こしてしまうのです。
学生時代から月経量が多くても、月経痛があっても、我慢してきた女性は沢山います。
気づかぬふりをして、毎月何とかやり過ごしてきた頑張り屋さんすぎる女性たち。
もうこれ以上我慢しないでください。
放置しないでください。
過多月経や月経痛を放置すると将来とんでもない婦人科疾患を発症してしまいます。
それに、放置は不妊症にもつながってしまうのです。
子どもを希望するときに不妊症を併発していたら……我慢してきた自分を責めてしまい辛い思いをしてしまいます。
そんな思いは絶対にしてほしくありません。
貧血の治療方法
貧血の治療方法はいろいろありますが、鉄剤を摂るだけでは根本的な解決になりません!
サプリや鉄剤を飲んでいるから大丈夫!と過信しないでくださいね。
まず、見直したいのが日頃からの食事。
鉄が多く含まれる食品を意識して摂るほか、血液の「赤血球」のもとになるタンパク質や、鉄の吸収をよくするビタミンCや葉酸など、いろんなものをバランスよく食事することが大事です。
*緑黄色野菜・果物…ビタミンCを多く含むため、鉄の吸収率をアップしてくれる
*魚介類…鮭やしじみ、あさり、牡蠣は赤血球をつくり出すビタミンB12を多く含む
*大豆・レバー…赤血球中のヘモグロビンが作られるときに必要な酵素の成分である銅を含む
*肉、魚、卵、乳製品…これらの動物性たんぱく質と一緒に補うと鉄の吸収が高まる
*プルーン…鉄分が豊富
しかし、鉄分をとるだけでは貧血の解決にならないことが多いのも事実です。
適度な運動や良質な睡眠、お日様を浴びるなどの健康的なライフサイクルも重要になってきます。
過多月経を治療する
そして、合わせて治療したいのが過多月経です。
私が担当した患者さんたちも、低用量ピルや子宮筋腫の薬で月経コントロールをすると、ものの数ヶ月で貧血がみるみる改善するケースを多々見てきました。
「階段のぼってもゼーゼー言わなくなりました!」
これは治療2ヶ月目でよく言われる感想です^^
子宮筋腫や酷い内膜症などの症状から来ている貧血の場合は手術が必要なケースもありますが、手術をせずに内服薬や注射だけでも治療ができます。
手術が嫌で、なかなか婦人科を受診するのが怖かくて遠ざかっていたという女性も多いですよね。
でも、安心してください。
もちろん、手術で筋腫や腺筋症を取り除いたりする方法もありますが、手術を回避する内服や注射による治療方法もどんどん出てきています。
低用量ピルは、月経量や周期をコントロールする薬です(「低用量ピル」は、女性の味方です!①-ピルの基礎知識と費用-)。
これは、卵巣から分泌される2種類の女性ホルモン(エストロゲン+プロゲステロン)を配合した飲み薬や、プロゲステロンのみの飲み薬を使うことにより、月経量や痛みををうんと減らして、子宮と卵巣をベストな状態に保ってくれるものです。
子宮筋腫や子宮腺筋症などで、月経量が多かったり痛みが強かったりすると、月経を一時的に止めるGnRH療法という治療もあります(詳しくはまた当コラムで)。
子宮内に数センチのごく小さな特殊なプラスチック器具を挿入することにより、飲み薬なしで月経コントロールできる方法もあります(ミレーナについてもまた詳しくお話します!)。
貧血治療で大事なのは、貧血の原因となっている婦人科疾患の状態をしっかり診てもらい、現状を改善するあらゆる方法を吟味し、医師と相談して治療方針を決めることです。
治療方法は日進月歩でアップデートされています。
我慢せず、生活の質を落とさず、よりよい生活を過ごすためにも、貧血の精査と治療方法について婦人科でご相談くださいね。
それでは今回はこの辺で(*'▽')
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