みなさん、こんにちは!
12月に入りましたね。
今年もいよいよ終わりに向けて世間も皆様も気ぜわしくなっていることだと思います。
寒くなってくると女性のカラダにとっても悩ましい「冷え」や「マイナートラブル」などが増えてきます。
それは次回以降でまた詳しくお話していきたいと思いますが、これから寒さが増す時期です。
皆さま、どうぞご自愛くださいね。
さて、今回も前回に引き続き「子宮頸がん」についてお話していきます。
▼婦人科の裏側を知れる興味深い内容です▼
「カーテンの向こう側①」
「カーテンの向こう側②」
子宮頸がんのワクチンは無料?
前回は子宮頸がんにかなり有効なワクチンがようやく日本で認可されたこと、そのワクチンの有用性などをお話しました。
毎年3,000人以上も子宮頸がんで亡くなる現状を予防できるのが子宮頸がんワクチンです。
一部の報道で子宮頸がんワクチンの副反応が大きく取り沙汰されたりもしましたが、ワクチンのせいではないことは研究で明らかになっています。
ワクチン接種さえしていれば、痛い思いも悲しい思いもする必要はないのです。
まだ、ワクチンに対して不安に思っている人や疑問がある人はぜひ色々と調べたり、信用できる婦人科医に相談してみてくださいね。
お薬も日進月歩で日々進化しています。
私たちの情報も知識も正しく新しくアップデートしていく必要があります。
さて、そんな有用性な子宮頸がんワクチンですが、費用はいくらかかるのでしょうか?
ズバリ、子宮頸がんワクチンの定期接種は無料です。
ただし小学6年生~高校1年生までの期間のみ、無料と設定されています。
子宮頸がんワクチンは思春期に!
子宮頸がんワクチンの定期接種は、小6~高1の間に計3回打ちます。
1回目のあとは、2ヶ月後に2回目、6ヶ月目に3回目という流れで計3回摂取します。
3回とも無料で接種するためには、高校1年の秋までに1回目を打たなくてはなりません。
そうすると3回分全部無料で接種ができます。
小学校6年生から高校1年生までの間にに各自治体の役所で問診票をもらい、その問診票を持参して指定された施設に行ってワクチン接種する、という流れです。
高校2年生になったら、途端に自費診療、つまり有料になります。
うちのクリニックでは1回分15,000円です。
初診代など入れると、計3回分で5万円前後が相場です。
実に高額に思えますよね?
自費診療のワクチン接種の相場が5万円ってかなり高額のように見受けられるのですが……実は病院の収益にはなっていません。
なぜならこれがほぼ仕入れ値なのです。
それが無料で受けられて命を守れるのであれば。
年頃のお子さんを持つお母さん、お父さんもしっかり正しい認識を持って準備しておきたいですね。
実に女性の8割は、ヒトパピローマウィルスに生涯のうち一度は感染しています。
大人になっても子宮頸がんワクチン接種をした方が良いですか、という質問をよくされます。
40歳以降の子宮頸がんワクチン接種は、接種してもいいのですがあまり奨励していません。
なぜなら、年齢が上がれば上がるほど、すでに感染した人ばかりだからです。
ある程度の大人の方には、ワクチンよりも、むしろ定期検診をしっかり受けることをお勧めします。
だから、子宮頸がんワクチン接種は思春期ごろからしっかりと摂取することが重要なのです。
女性も男性も!正しい認識で子宮頸がんを撲滅しましょう
実際に、このウイルスに感染してもほとんどの女性は免疫力で感染に打ち勝っています。
ですが、ごく一部の女性だけが、子宮頸がんを発症してしまいます。
陰部に感染するHPVは計40種類くらい存在するのですが、そのうち15種類くらいが子宮頸がんに関与する種類の型なのです。
ほとんどが、性交渉で男性から女性にうつるのです。
この癌の原因となるHPVを「ハイリスクHPV」といい、この「ハイリスクHPV」に感染した人の0.1~0.3%が子宮頸がんを発症するのです。
だから、男性もワクチン接種すべきなのです。
自分の大好きなパートナーや妻が子宮頸がんになってからでは、後悔しても仕切れませんから。
男性の皆さんにとって自分が持ってたウイルスのせいでパートナーや妻が癌になった、なんて知りたくない事実だと思います。
ですが、性的接触をする以上、要は相手がいる以上は性感染症やHPVのウイルスの可能性をしっかりと考えておいてほしいのです。
「うちは男の子だから関係ないわ」ではなく、「男の子だからこそしっかり接種しよう」という認識で家族間で認識を共有しておいてほしいです。
「子宮頸がんはもはや人災」という国もあります。
ワクチン接種を推進しない国政を訴えるという国民が出てきてもおかしくありません。
世界中で子宮頸がんワクチンを実施しているなか、日本の子宮頸がんワクチン接種率は0.1%以下。
ある意味、異様な数字です。
子宮頸がんはこれほどに、驚くほど身近な癌なのです。
だから日本は定期検診をちゃんとしないといけない国なのです。
子宮頸がんで毎年1万人以上の若い女性が子宮全摘を強いられ、毎年3,000人もの若い女性の命が失われているのですから。
毎年3000人が死ぬ病気、もう終わりにしましょう。
これからも常にアンテナを張って、自分の身とパートナーの身、そして子どもの身を守れるように、正しい知識と認識をアップデートしながらワクチン接種や定期健診にかかってくださいね。
それでは今週はこの辺で!
再来週、またお会いしましょう(*^-^*)
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