皆さん、こんにちは!
レディースクリニック・サンタクルス・ザ・ウメダの藤田由布です。
9月に突入しましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
まだまだ暑い日が続きますが、少しずつ秋に近づき、季節が着実に動いていますね。
さて、前回に引き続き、今回も婦人科検診について詳しくわかりやすくお話していきます。
そもそも「子宮がん検診」って、なに?
前回、婦人科検診では子宮がんを調べるものとお話しました。
一口に「子宮がん」といっても、全く違う2つの病気が含まれています。
「子宮頸がん」と「子宮体がん」です。
婦人科がん検診では「子宮がん検診」というと、「子宮頸がん検査」を指す事が多いです。
子宮頸がんは、99%以上がヒトパピローマウィルス感染によって起こるがんです。
子宮の入り口部分の頸部という箇所におこります。
当コラムでも子宮頸がんについて詳しくまとめています。
反対に、子宮体がんは、子宮内膜の異常増殖が原因でおこるがんで、子宮の中におこります。
ウィルスは関係なく、一般的には女性ホルモンの異常分泌が原因といわれています。
それぞれの違いは下記の通りです。
●年齢:20代後半から多くなり、30~40歳がピーク
●ウイルスの潜伏期間が3年~数十年のため、50代以降も子宮頸がんを発症することがあります
関連因子:ほとんどが性交渉によるHPVウイルス感染が原因
※一度の性交渉でも感染の可能性があります
※ 日本人は80%の女性が生涯に一度はHPVに感染すると言われている
※一生のうちに子宮頚がんになる人の割合は1万人あたり132人です
※ごくまれにHPVが検出されないものもあります
●年齢:40代から多くなり、50~60代の閉経前後で最も多くなる
●多くはエストロゲン(女性ホルモン)の長期的な刺激や加齢
※月経不順や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)も子宮体がんのリスクとなる
※閉経後に性器出血があった場合は婦人科をご受診ください
セックスの経験がなくても、検査はするべき?
子宮頸がんに関しては、99%以上の原因が性行為で感染するウィルスであることが分かっています。
なので、性行為の経験がない女性は、子宮頸がん検査を省略しても構いません。
持続する出血やおりもの異常などの気になる症状がなければ、無理やり痛い思いをして検査をする必要はありません。
ただし、ごく稀にウィルス感染が原因ではない「子宮頸部腺癌」が発見されることがあるので、検査が不要という訳ではないことを理解しておいてください。
どうしようか迷われる場合は、検査前に婦人科医に相談してくださいね。
病院以外で、性交経験を他人に説明する義務はない!
婦人科の検査はいずれも、腟奥の器具挿入を伴います。
性交経験がない女性は、検査を省略しても良いです。
検査のために、無理やり処女膜を突き破る必要はありません。
会社の検診で受診された女性が「処女です。でも、検査を断った場合、会社に処女だとバレるから、痛みを堪えて検査をします」と言っていました。
女性として、こんな状況を黙って知らん顔できません。
まず、知っておいてほしいのですが、会社に子宮頸がん検査をしなかったという説明をする必要はありません。
第三者から検査をしなかった理由を説明させられるようなら、「生理だったので」って簡単に逃げてください。
病院以外で、性交経験を他人に説明する義務などありません。
責任を感じなくてもいいので、一人で背負い込まないでくださいね。
あなたのプライバシーは大切にされるべきものなのです。
性同一性障害の場合は、どうすればいい?
性同一性障害の方も、婦人科で検査をするべきか、迷われる場合があるかと思います。
男性器の挿入を伴う性交経験がなくても、ウィルスが指先など皮膚にもついているため、皮膚接触などによる感染もあります。
また、かなり稀ですが子宮頸部腺癌の可能性も無いわけではないので、女性器が存在する場合は、子宮頸がん検査の検査は大事です。
また、不正出血や下腹痛など気になる症状がある場合は、定期検診ではなく、信頼できる婦人科医のところで相談してくださいね。
婦人科での検査をする場合は、事前に医師に話しておくと、痛くならないように小さめの器具を使うなどして、検査の工夫をしてもらえます。
いずれにしても、一人で抱え込んだり、先入観にとらわれたり、思いこんだりする必要はありません。
まずは相談という形で信頼できる医師を探しておきましょう。
婦人科検診について誤解していたり、知らなかったり、思いこんだりして誤った認識のままでいる方も少なくありません。
婦人科検診に行きたいけれど、まだ少し迷いがあるという方は、当コラムでしっかり事前に正しい情報を得ておいてくださいね。
次回は、実際に行われる内診や子宮頸がんと子宮体がんの検査方法、使用する器具などについてより詳しくご紹介します。
それでは今回はこの辺で(^^)/
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