みなさん、こんにちは!
子宮頸がんの記事について、好評をいただきありがとうございます。
「毎年3,000人が死ぬ病気、子宮頸がん①」
「毎年3,000人が死ぬ病気、子宮頸がん②」
子宮頸がん撲滅のため、声を大にしてワクチンの有用性を正しく伝えていくことが私たち婦人科の役割だと改めて感じているとともに、現代を生きている私たちそれぞれが、正しい情報と知識のアップデートをしていく必要があると強く感じています。
みなさんの子宮頸がんとワクチンについての情報が正しくアップデートされ、子宮頸がんで亡くなる女性が0になるよう、引き続き発信していきたいと思います。
さて、今回のテーマは「なかなか人に聞けない、アソコの悩み」です!
あなたは「自分のアソコ」について、悩みを抱えて辛い思いをしていませんか?
気になるアソコのお悩み第1位は……
アソコについては、周囲の人になかなか相談しにくいため、多くの女性が一人で悩んでいます。
20~50代の女性を対象にした調査では、どの年代でも約5人に1人が
☑痒み
☑におい
☑おりもの
☑ムレ
☑色や形
などについて悩んでいることがわかっています。
デリケートな部分だからこそ人に相談しづらいこともあり、気になりながらも何もできずに悩みを抱えたまま過ごしてしまう女性も多いのです。
実は解決方法があるにも関わらず、相談できずに状態を悪化させてしまうケースもよくあります。
また、悩みの原因が病気だとしたら、放置しておいて良いわけがありません。
特に女性によくあるアソコのお悩み1位の「かゆみ」の原因は、カンジダ真菌であることが多いです。
カンジダ菌って?
カンジダとはカビ(=真菌)の一種です。
カンジダの症状の典型は、粉チーズや酒粕のような白いパラパラとしたおりものが多くなることです。
加えてにおいなども強くなるのが特徴で、外陰部が炎症を起こして強いかゆみを帯びることがあります。
そして、カンジダ膣炎(膣カンジダ)は性交渉でうつると思われがちですが、実は日和見感染(ひよりみかんせん)であることの方が多いです。
日和見感染とは、疲れやストレスで自分の免疫力が低下した時に病原体が増殖して暴れて発症してしまうことを言います。
つまり、カンジダ菌はもともと私たちの体内に存在している「常在菌」なのです。
健康な女性でも、口の中や皮膚、消化管、膣内にカンジダ菌は存在しています。
カンジダ真菌は普段は悪さをしませんが、下記のような免疫力が低下する要因でカンジダ膣炎を引き起こします。
☑体調の変化やストレス
☑生活習慣の乱れ
☑デリケートゾーンの不衛生な状態
☑抗生物質の服用
☑ホルモンバランスの乱れ 等
これらによって、膣内環境のバランスが崩れて、カンジダ真菌のような悪玉菌が暴れてしまうことがあるのです。
ちなみに、デーデルライン桿菌(かんきん)という善玉菌も存在しています。これは乳酸菌の仲間です。
この善玉菌は膣内を酸性に保ち、他の病原菌の侵入を防ぎます。
また、妊娠している方は、免疫力が急激に低下しているので、カンジダ膣炎になりやすいです。
それにカンジダは再発しやすいのも特徴です。
カンジダ菌はお薬(膣錠)ですぐに良くなります。
一度きちんと婦人科で診てもらえれば適切な治療ができますし、再発したときは専用の市販薬を購入することもできます。
「もしかして」と思ったら、すぐに婦人科にかかってくださいね。
気になるおりもの……おりものの正体とは
次にお悩みで多いのが「おりもの」です。
おりものが好ましいと思う女性は少ないと思います。
下着は汚れるし、突如降りてくる感覚など、心地よいモノではありませんよね。
月経と同様おりものの存在も、女性であれば物心ついた時には「カラダの仕組みとしてあるもの」と受け止められているものだと思います。
そんな「おりもの」っていったい何なのでしょうか。
おりものは、子宮頚部、子宮内膜、膣から出る酸性の分泌物のことです。
おりものの役割はいくつかあります。
☑雑菌(バイ菌)などが膣内に侵入してくるのを防ぐ
☑子宮や膣内の汚れを排出する
☑膣内部の潤いを保って粘膜を保護する
☑排卵時には精子を受け入れやすくする
要は、女性のカラダを守るために分泌されているもので、健康な女性でも出てくるものです。
上記でも触れたとおり、女性のカラダの仕組みとして備わっているものなのです。
おりものは時期によって色や性質が変わるのが特徴です。
たとえば排卵や生理前など関係ない時期はサラサラの水ようなおりもので、排卵の時期には透明で粘り気がある伸びるおりもの(のびおり)になります。
月経前には白っぽいクリーム状のものが多いです。
好ましくないものではありますが、このようにおりものの状態一つでも、自分のカラダのサイクルを知ることができるのです。
よって、おりものの変化には要注意です。
上記で解説したカンジダ膣炎になれば通常サイクル時のおりものではなくなりますし、量やにおいも増えます。
おりものに異変を感じたらガマンせずに、すぐに婦人科で診てもらいましょう。
ちなみにおりものは下記のような成分でできています。
・卵管、子宮内膜、子宮頸部、膣の粘液
・腟壁からはがれた古い細胞
・腟口の左右のバルトリン腺分泌液
・尿道口の左右のスキネ腺分泌液
・外陰部の皮脂腺や汗腺からの分泌液
正常なおりものには臭いがしません。
おりものは酸性なので酸っぱい臭いの時もありますが、周囲には匂っていないのであまり神経質になる必要ありませんよ。
さて、長くなってしまいましたので今回はこの辺で!
次回も引き続き「なかなか人に聞けない、アソコの悩み」について解説していきます。
それでは再来週、またお会いしましょう(*^-^*)
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