現在、預金の利息は限りなく0に近く、銀行にお金を預けてもほとんど増えません。
そのため「預金よりは投資」と考える人も多くなっています。
しかし「投資は勉強が必要だし、よくわからない」「リスクがあるし、損をしそうで不安」と及び腰になってしまう人も少なくないハズ。
とはいえ「何もしないままも不安」「預金ではお金が増えないから少し冒険をしてみたいけれど、投資はまだ勉強中……」という人にオススメしたいのが外貨預金です。
この記事では、外貨預金の基礎知識や仕組み、始め方など外貨預金(外貨積み立て)に関すスタートアップを詳しく解説します。
投資初心者や、預金以外の資産運用を始めたい人は必読です!
外貨預金とは何か? 仕組みやFXとの違いを解説
外貨預金とは「外国の通貨で預金すること」です。
一般的な預金は円建て、つまり日本円で行いますが、外貨預金はドルやユーロなどで行います。原則日本円と同じように、銀行で積み立てを行います。
銀行によって年利や扱っている通貨が若干異なりますが
- ドル
- オーストラリアドル
- ユーロ
上記の3種類を取り扱っている銀行が多いです。
店舗を持つ銀行だけでなく、楽天銀行やソニー銀行といったネットバンキングでも外貨預金が始められます。
外貨預金の仕組み
外貨預金は、銀行で日本円を外貨に両替して預金します。日本円での預金と異なり、必ず「手数料」が発生します。
外貨は「為替レート」が存在し、それは毎日変動するものです。
為替レートとは
通常の外国為替の取引における外貨との交換比率のこと
ニュースでは毎日ドルやユーロの為替レートを伝えています。円が高くなれば「円高」円が安くなれば「円安」で、経済にも影響が出ます。
外貨預金はこの為替レートを利用して利益を出す仕組みです。
たとえば、1ドルが80円のときに100ドル預金し、1ドル130円のときに引き出せば、差額の50円が利益になります。
反対に1ドルが70円になってしまえば10円の損失が出ます。これが外貨預金のリスクです。
要は「外貨預金は差額を利用した資産運用のひとつ」というワケです。
外貨預金とFXとの違い
外貨預金とよく似た仕組みの投資に、FXがあります。
FXは外貨預金と同じで為替レートの変動による差益で利益を出す投資です。ですがFXと外貨預金の大きな違いが2点あります。
- 外貨預金は外貨を「預金」の形で保持できるが、FXは保持できない
- FXは手持ちの資金以上の金額を投資できる(レバレッジ)
外貨預金は為替レートが預金した当初より下がった場合は、しばらく外貨を動かさないことでレートの回復を待つことができます。そのため、短期間で多額の利益を出すことは難しいでしょう。
一方、FXは含み損を含む損失が証拠金額を上回ってしまうと強制的に取り引きが終了してしまうため、短期間で売買しなければなりません。
FXは常に為替レートのチャートとにらめっこしながら売買を行って利益を上げていきます。
短期間で多額の利益を上げることも可能ですが、レバレッジの額によっては大損をする可能性もあるのが特徴です。いわばFXは「ハイリスク・ハイリターン」の投資です。
よって、投資をしたことがない初心者は、外貨預金を選ぶようにしたいですね。
外貨預金の種類
外貨預金は、通常の預金と同じ「普通預金」と「定期預金」があります。
定期預金は満期が決められていて自由に引き出せない分、金利は高めです。金利は、銀行や外貨の種類によって異なりますので、複数の銀行を比べてみるのがおすすめです。
外貨預金のメリット・デメリット
外貨預金には日本円での預金にはないメリット・デメリットがあります。
ここでは、外貨預金のメリット・デメリットを詳しく解説します。
外貨預金のメリット
まず外貨預金のメリットをみていきましょう。
- 日本円の預金より金利が高い
- 金利を確実に受け取ることができる
- 手軽に始められる
外貨預金は、海外の金利で運用される特徴があります。
日本の金利はずっと低いままですが、海外では4~10%に近い高金利の国も豊富にあります。
日本の金利よりはるかに高い金利で預金をすると、シンプルに増え幅が大きくなります。
また、外貨預金の金利は確実に受け取れるのもメリットの一つです。株式配当のように「値下がりしたから受け取れない」ということはありません。
外貨預金のデメリット
次にデメリットを見てみましょう。
- 為替変動のリスクがある
- 為替手数料がかかる
- ペイオフの対象にならない
- 利息に税金がかかる(20.315%)
外貨のレートは毎日変化するため、外貨預金を下ろすタイミングによっては、元本割れしてしまうこともあるでしょう。
元本割れとは
相場の下落などにより、当初投じた投資金額を下回ること
なお、外貨預金をドルやユーロのままで引き出すことはできません。
また、外貨を円に返還するときは為替手数料がかかります。為替手数料は銀行によって異なりますが、小まめに預金を引き出していると馬鹿にならない金額がかかります。
加えて、利息は年20.315%の所得税がかかります。
このほか、外貨預金はペイオフの対象に含まれません。そのため、万が一のケースを考えておく必要があります。
ペイオフとは
「保険」の仕組みを利用した預金者の資産保護制度のこと
メリット・デメリットだけをみているとデメリットの方が多く感じますが、メリットはそれぞれの強みが大きいので、端的に数だけで考えるのはNG。
そもそも投資とはリスクがつきものですが、上手に運用すると確実に資産を増やしていけるものです。
外貨預金は、そんな資産運用の第一歩としては最適な方法の一つといえるでしょう。
外貨預金の始め方とタイミング
ここまで記事を読んで「自分も外貨預金をはじめてみたい!」と思った人もいるでしょう。外貨預金は比較的気軽に始められるのもメリットです。
ここから外貨預金の始め方や始めるタイミングを解説します。ぜひ、参考にしてくださいね!
外貨預金の始め方
外貨預金は、銀行で外貨預金の口座を開き積み立てる通貨を決めれば始められます。
前述したように、外貨預金を行っている銀行はたくさんあります。三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行といったメガバンクから、地方銀行、ネットバンクでも取り扱っているので、まずは取引銀行で口座を開いてみましょう。
現在はネットで口座開設から取引開始まで行えるところもかなり増えました。わざわざ銀行へ出向かずとも、自宅にいながら簡単に取引口座を開設可能です。
ちなみに外貨預金の口座開設は、普通預金の口座を開くのと同じなので難しくありませんよ!
印鑑と身分を証明できる書類などを用意しておけば口座を開けます。
外貨預金を始める銀行の選び方
外貨預金を始める銀行の選び方に迷っている人は、以下のポイントを参考にして選ぶのがオススメです。
- 銀行が取り扱っている外貨
- 銀行が取り扱っている外貨預金の商品
- 手数料の額
外貨預金といえば、米ドル・オーストラリアドル・ユーロが有名ですが、銀行によっては南アフリカの通貨ランドや、スイスフランなどを取り扱っています。
単一の通貨でまとめて多額に預金するよりも、複数の通貨で預金を行うとリスク分散が可能です。
また、銀行の商品によっては為替手数料が安く設定されているものもあるので、手数料を少しでも安く抑えたい人はチェックしておきましょう。
銀行や金融のプロに相談して商品を選ぶこともできる
銀行やFP、税理士、社労士などは投資や資金運用の個別相談に乗ってくれます。
- 外貨預金を始めたくても知識がない
- まずは資産運用の勉強がしたい
- 金融のプロにトレンドや最新情報を教えてほしい
- 自分で選ぶより信頼できる担当者に提案してほしい
上記に当てはまる人は、銀行のホームページやマネーセミナー(ウェビナー)等から予約して相談会に参加してみましょう。
また、銀行のホームページには、外貨預金の始め方やリスクなどの特集ページがあります。それを読むだけでも、ためになる情報をたくさん得られますよ!
外貨預金の始め時
外貨預金は円預金と同じ流れで始められるので「いつ始めてもいい」です。銀行によっては月々数百円から積み立てられる外貨預金もあるほか、口座から毎月決まった額を引き落として自動積み立てしてくれるところもあります。
月に数千円~数万円を貯金に回せる余裕が出ているなら「外貨預金の始めどき」と考えてもいいかもしれませんね。
ただ、外貨預金は小まめに下ろすと為替手数料で損をします。なので、開始半年~1年は口座の中に資金を預けておけるようにしておきましょう。
始めどきを確認する手段として、為替レートをチェックして今が円高なのか円安なのかを把握しておくことも大切です。
外貨預金の理想は円高のときにお金を預け、円安のときに引き出すことです。
経済ニュースをチェックしておけば、ドルやユーロ、米ドルの値動きが分かります。円高が進んでいるときこそ、外貨預金の始め時といえるでしょう。
ポイント
・外貨預金はいつ始めてもいい
・月に数千円〜数万円の余剰金がある
・円高が進んでいる時がオススメ
・開始半年〜1年は預金を動かさない
複数の通貨預金でリスク分散をする
外貨預金は複数の通貨で行うことができます。
値動きが激しい外貨もあれば、値動きがあまりない外貨もあります。
複数の外貨で預金をしていれば、1つの外貨が元本割れしてももう1つの外貨でカバーできることもあるでしょう。
たとえば、米ドルとユーロ、米ドルとオーストラリアドルなどを組み合わせて預金しておくという方法もあります。
外貨預金のメリット・デメリットを把握したうえで、ぜひチャレンジを!
外貨預金は金利が高く円預金より資産を増やしやすい一方で、元本割れのリスクもあります。
元本割れしそうなときはしばらく寝かせておいて回復を待つこともできますが、リスクが0ではないことは理解しておく必要があります。
一方で、小まめに経済ニュースをチェックし預け時と引き出し時を間違えなければ、ローリスクで資産を増やすことができ、年単位で資産形成も可能です。
月数千円〜数万円の余裕があり、半年~1年程度貯蓄しておける余裕がある人は、ぜひ外貨預金にチャレンジしてください。
本格的な投資の練習にもなり、お金にまつわる知識が増えてマネーリテラシーが向上します。
将来への本格的な資産形成に向けて、まずは外貨預金を始めてみましょう!