皆さん、こんにちは!
レディースクリニック・サンタクルス・ザ・ウメダの藤田由布です。
長引くコロナ禍や長雨の被害など、人知を超えた災害続きで胸が痛くなります。
被害にあわれた方、そしてコロナに罹患して苦しい思いをしている方々やそのご家族に、心からのお見舞いを申し上げます。
前回も書きましたが、ココロもカラダも滅入ってしまいそうになる時こそ、普段おざなりにしている自分の心身と向き合うことが大切です。
今回は「婦人科検診」についてお話していきます!
今更聞けない…婦人科検診って何するの?
皆さんは婦人科検診を受けた事がありますか?
名前は聞いたことがあるけど、具体的には何をするのか知らないという方が多いのではないでしょうか。
そもそも婦人科に行くだけでハードルが高いのに、わざわざ検診に行くなんて……
婦人科を深く理解していないと、そう思ってしまうのも仕方がありません。
・婦人科がどんなところでどんな医療を提供しているのか
・現実的にどんな医師がいるのか(残念な医師がいることも包み隠さずお話しています)
・どんな思いで私が皆さんに向き合っているのか
・婦人科のハードルを下げるために私が実施していること
などはこれまでのシリーズでお話していますので、婦人科・産婦人科にいいイメージがないという方はぜひ、読んでみてくださいね!
さて、婦人科検診は、子宮がん(主に子宮頸がん)検査、乳がん検査といった「女性のがん」の検査を指します。
子宮頸がんと乳がん検診は、命を救うことができると証明された数少ない検診です。
初期の自覚症状はほとんどないと言われており、年1回の受診が早期発見する上で非常に重要となります。
婦人科で行う定期検査は、ひとくくりに「子宮がん検診」とされることがよくありますが、その中身はいくつかのオプションがあります。
ここで、婦人科検診で行う検査の項目を、具体的に一つひとつ説明していきます。
婦人科検診の種類
婦人科検診では、主に下記の内容を実施します。
20歳以上の女性ならまず①子宮頸がん検査を行います。
②~⑤はオプションで受けられます。
①子宮頸がん検査
②内診
③子宮体がん検査
④経膣超音波検査
⑤HPV検査
検診を行う施設によっては、複数の検査がセットになっていたり、希望する検査を前もって申請しなければならない場合もあります。
市区町村による住民健診、職場での検診などによって自己負担額は異なります。
多くの場合は、無料か、有料でも400円程度です。
各市町村ごとに、受診できる施設の一覧もホームページに掲載されています。
以下は大阪市の例です。
大阪市は20歳以上が対象で、2年に1回、料金は400円かかります。
以下は堺市の例です。
堺市は20歳以上の偶数年齢の女性が対象で、料金は無料です。
堺市は、必要な女性には子宮体がん検査(子宮体部の細胞診)も施行しているようです。
検査当日になって「やっぱり、超音波検査もやりたい!」と検査オプション追加のお願いをしても、当日変更を受け付けない施設も多いです。前もって検査内容を確認しておくのがいいですよ!
乳がん検査は、特別な資格を有する検査技師が行う「マンモグラフィ」や「乳房超音波」などがあります。
検査は、検査技師のほかに乳腺外科の医師が担当することもあります。
生理の日は、検査できる?
当日になって、生理がきてしまう事もあるでしょう。
生理中でも検査は出来ますが、正しい結果が得られない事もあります。
また、生理期間は受診できないと定めている自治体もありますので、こちらも事前に確認しておくといいでしょう。
検診の日が生理と重なってしまった場合は、1~2週間以内に再び施設に行って「頸がん検査のみ」受けることができる場合もあります。
生理中で経血が多いと子宮口(子宮頸部)がはっきりと見えず、綿球で血液を拭って子宮口が見えるようにします。
経血のせいで頸部からしっかり細胞を採取できないこともあるので、なるべく生理の日を避けた方が良いでしょう。
「どうしても、検診と生理の日がかぶってしまう」という場合は予め施設に相談しておきましょう。
終わりかけで経血が少ない日だと、検査OKと判断されることも多いですよ。
膣に器具を入れるの?
婦人科検診において、一番気になるのは膣内に何かを挿入されるという事ではないでしょうか。
異物感がどうしても不快に繋がってしまうため、苦手に感じてしまっても仕方のないことです。
とはいえ、正確に検査をするためには膣内に器具を挿入することはやむを得ないのです。
せめてどんな器具をどのように挿入されるのか、その意味を理解しておけば幾分か納得して検診を受けられることもあるでしょう。
検診では上記画像のように、膣内に「クスコ」という器具を挿入します。膣鏡診とも呼ばれます。
クスコは、腟に挿入して膣内を観察する道具で、アヒルのくちばしの様な形をした医療器具です。
膣に挿入してネジを回すとくちばし部分が大きく開き、膣壁や子宮の入り口などが観察できます。
肥満女性の場合は、膣壁が肉厚で押されて奥が見えないため、大きめのクスコで膣壁をしっかり押しのけるためにも使います。
クスコには様々なサイズがあります。
向かって左はMサイズ、右がSSサイズです。
ほとんどは、Sサイズか、SSサイズを使います。
性交経験がほとんどなくて腟口が小さい場合は、SSSサイズ(トリプルS)を使います。
ただ、SSSサイズのクスコを使う場合は、頸がん検査で使うブラシが入りにくく、クスコの口をぐっと広げながら挿入しなければなりません。
この際に違和感を感じることがありますが、医師がきちんと声掛けをしながら進めるのでリラックスしましょう。
痛いと感じたら我慢をせず、医師にその旨を伝えてくださいね。
婦人科検診を正しく知ることで、恐怖や嫌悪を和らげよう
ただでさえ自分のプライベートゾーンをさらす上に器具まで入れられるなんて……と抵抗を感じてしまうのも無理はありません。
ですが、自分のカラダを守るため、そしてよく知るためにはとても必要なことです。
あなたが健やかに、そして日々を満喫して人生を生きるため、女性にとって婦人科は切っても切れない医療なのです。
あらかじめ婦人科検診はどんな内容なのか、どのような器具を使用されるのかを理解しておけば、少なからず「きちんと内容と必要性を把握して、自分の意志で検診を受けている」という思いになるのではないでしょうか。
婦人科医にトラウマがある人も、まずは自分のことを大切に思ってくれているか、きちんと向き合ってくれる医師かどうかを確認するために問診(カウンセリング)のみで婦人科を訪れてみるといいでしょう。
実際、私のもとには他の婦人科で傷ついた思いを引きずりながら、勇気を出して扉をたたいて、その思いを話してくださる患者さんが数多くいらっしゃいます。
話を聞いていて、私まで腸が煮えくり返るような態度の医師もいます。
心から寄り添ってくれる婦人科医を見つけられるように、当コラムでもいろいろな情報を提供していければと強く思っております。
読者の方が、決してそんな思いをしないよう、私も日々尽力してい参ります。
来院可能な方は、どうぞお気軽にお尋ねくださいね!
婦人科検診については、しっかり読んでいただきたいので、次回も引き続き、婦人科検診について詳しくわかりやすくお話していきます。
それでは今回はこの辺で(^^)/
レディースクリニック・サンタクルス・ザ・ウメダ/TEL:06-6374-1188
大阪市北区茶屋町10-6 茶屋町リュクスビル7階