Series おしゃべり婦人科医の 「聞いて欲しいアソコの話」

実は怖い性病 「クラミジア②」

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みなさん、こんにちは!

大阪なんばクリニック 婦人科医長の藤田由布です。

先週に引き続き、クラミジアについてお話していきます!

パートナーがいる男女や将来妊娠を考えている人は必読なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

将来を考えている男女は検査必須

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前回、子宮外妊娠の約30%がクラミジアによる卵管障害が原因となっているといわれていることをお話しました。

2Lもの大量出血を伴う可能性もあり、最悪の事態を引き起こしかねないともお伝えしました。

上記を防ぐためにも、パートナーがいる、将来を考えているという場合はブライダルチェックでクラミジアをチェックするのはとても大事なことです。

子宮外妊娠で卵管が破裂するのは、だいたい妊娠7~8週です。

妊娠6週までに子宮内に胎嚢がちゃんとあることを超音波で確認するのは、子宮外妊娠でないことを確認するために重要なことです。

クラミジアは近年ではありふれた性病として周知されていますが、実は怖い感染症であることは意外と知られていません。

いつの間にか肝臓にまで達してしまうクラミジア

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クラミジア感染によって子宮頸管炎になっても、ほとんどの女性は無症状のことが多く、知らない間に子宮頸部から更に上へ感染が広がり(上行感染といいます)、骨盤内に広く及び、肝臓周囲まで炎症が達することもあります。

肝臓まで炎症が及ぶと腹痛などの自覚症状が強くなります。

これを肝周囲炎といい、知る人ぞ知る疾患「Fitz-Hugh Curtis症候群」です。

肝臓の表面からお腹の中にベッタリした膜が広がって臓器が癒着する状態になり、うずくまって立っていられない程に腹部に激痛が走ります。

ちなみに、この有名な「Fitz-Hugh Curtis症候群」ですが、発音は「フィッツ・ヒュー・カーティス」です。

3人の医師の名前ではなく、フィッツ・ヒュー医師とカーティス医師の2名がそれぞれこの病態を同時報告したのが最初で、このような病名になりました。

若干発音しにくいし、長ったらしくて紛らわしい名前です。どうでもいいことですが。

クラミジアは無症状であっても、このような危険な病気を併発する恐れがあるのです。

また、無症状であっても、感染が確認されたらすぐに治療しないといけません。

クラミジアを早期に発見できれば、薬を服用するだけで完治できます。

婦人科医にすぐにかかり、抗生剤を処方してもらいましょう。

オーラルセックスも要注意

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前回もちらりとお話しましたが、クラミジアは「挿入」だけで感染するわけではありません。

クラミジアはオーラルセックスで感染することもあります。

性器だけでなく、咽頭(ノド)も感染するのです。

クラミジア頸管炎が判明している患者さんの10%程度は、咽頭からもクラミジアが検出されると言われています。

「おりものが変なんです」と訴えられると同時に、「喉がイガイガして違和感あるんです」とおっしゃる患者さんも少なくありません。

これはまぎれもなく、咽頭にクラミジアが感染している証拠です。

「ノドがイガイガするし、風邪かな……?」と、普通のよくある咽頭炎で処方されるセフェム系の抗生剤でなかなか治らない場合は、クラミジア感染が存在する可能性があります。

見て見ぬふりをせず放置しないで、ノドの違和感の治りが悪いと感じたら婦人科クリニックへ受診しましょう

性器感染よりも、咽頭の感染したクラミジアは治療に時間がかかります。

違和感を感じたら少しでも早くクリニックへかかることが、早期治療への第一歩です。

パートナーも治さなくちゃ!危険なピンポン感染!

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また、カップルの片方が感染している場合、性行為によってパートナーにも病気をうつす可能性が高いです。

ですから、本人が治療して治ってもパートナーが治療していなければ、その後の性行為によって再び感染してしまいます。

これを「ピンポン感染」と言います。

ピンポン玉のやりとりのような繰り返しで延々と感染してしまうことを指しているのです。

せっかく治ったと思ったのに……これではきりがありませんよね。

このピンポン感染を防ぐためにも、どちらかが性感染症に罹った場合は、カップル2人同時に治療することが大事なのです。

くわえて、コンドームなどで日ごろから性感染症を予防することもとても重要です。

ある報告によると20代前半の女性では15人に1人がクラミジアを持っているというのが現状だそうです。

しかも、18~19歳の経験豊富な女性に限っては4~5人に1人が感染という結果も……。

恐ろしいですが、現実なのです。

多くの場合は症状がほとんどないか、症状があってもごくわずかのため自覚しにくい「クラミジア」。

無自覚のために周りにどんどん感染させてしまっている可能性も無きにしも非ずで、実はとても恐ろしい性感染症です。

おりものが少し増えたり、軽い生理痛のような痛み、不性器出血など心当たりのある方はお気軽に婦人科でご相談ください。

クラミジアは身近な性病なので、全く恥ずかしく思う必要はありません!

むしろ、早期発見、早期治療を行うことで、将来の不妊や子宮外妊娠を防ぐことができるのです。

きちんと治療すれば完治できるので、怖がらないで、まずは婦人科を受診してみてくださいね。

関西圏であれば、私のクリニックへおしゃべりがてらいらしてください^^

きっと、婦人科に対するイメージも少し変わるかなと思います。

それではみなさん、また来週!

yu

婦人科医/藤田 由布(ふじた ゆう)
〇大阪なんばクリニック 婦人科/医長
〇ヨーロッパと日本で医師免許を取得/気軽にだれでも来れる敷居の低い婦人科つくりを目指す
青年海外協力隊でアフリカのニジェールへ赴任後、アフリカ未開の土地で10年間活動。アメリカ財団やJICA専門家などの仕事を経て、ヨーロッパで医師になり、その後日本でも医師免許を取得する実力派。
大阪なんばクリニック/TEL:06-6648-8930
大阪市中央区難波5-1-60 なんばスカイオ 9F

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