皆さん、こんにちは!
レディースクリニック・サンタクルス・ザ・ウメダの藤田由布です。
続くコロナ禍に早い梅雨入り。
ココロもカラダも滅入ってしまいそうになりますが、こういう時こそ、普段おざなりにしている自分の心身と向き合うことが大切ですね^^
前回の放っておくと危険!女性に多い「貧血」のメカニズムとその要因でもたくさんの反響をいただき、ありがとうございます!
☑自分が貧血だと初めて理解しました
☑貧血って婦人科で相談できるものなんですね
☑自分の月経量が、多いんだと知ってビックリ!
☑過多月経を直したいです
などなど、貧血に対するお声をたくさんいただきました。
前回の貧血回同様、今回のテーマは女性にとっては悩みのタネとしてもよく上がる「冷え性」についてです。
これから夏が始まりますが、夏こそ冷え性対策が必要なシーズン!
今日は冷え性の原因と対処方法を学んでいきましょう。
目次
あれれ、寒がってるのは自分だけ?これって冷え性?
皆は寒がっていないのに、気付いたら自分だけが寒いと感ていたりしませんか?
実は、日本人女性の7割が冷え症とも言われています。
冷え性は気温の低下に対して体温調整ができず、下記のような症状が表れます。
・体の表面の温度が低下してしまう
・手足が冷たく氷のようになる
・部屋が暖かくてもカラダの末端が冷える
・冷えが強くて痺れを感じる
・熟睡できなくなる
このような状態が続くと、日常生活に支障をきたしてしまいます。
自分は冷え性じゃないと思っている人でも、下記のような症状に身に覚えはありませんか?
☑太りやすい
☑目の下にくまができる
☑手足や顔が浮腫みやすい
☑イライラしたり、落ち込みやすい
☑肌荒れがひどい
☑記憶力が低下している
いずれかに当てはまる場合は、冷え症が隠れているかもしれません……!
冷え性の原因と可能性のある病気
そもそも冷え症とは、具体的にどういう状態を指すのでしょうか。
冷え性は、手足の末端や、背中のあたりなど部分的に皮膚の温度が低下することで、体温、つまり「体内の温度」が低下することではありません。
冷え症の主な原因としては、血管に作用する自律神経の機能が乱れてしまって血管が細くなり、血流が低下してしまうことが考えられます。
さらに貧血や低血圧、女性ホルモンの低下や自律神経失調症、そして甲状腺機能異常なども考えられます。
ほかにも、冷たい飲み物やストレス、無理なダイエットや運動不足、睡眠不足、過度な冷房など、生活行動が身体を冷えやすくしているのです。
冷えて血流が悪くなると、体の中の臓器に必要な栄養や酸素を運べず、老廃物の回収もうまくいかなくなります。
しかも甲状腺などのホルモン異常や動脈閉塞などといった病気が背景にあることもわかっています。
そして、冷え症は女性に多く、卵巣の働きにも密接に関与しています。
たとえば生理中や生理後の10日感ぐらいの期間にも冷えはやってきますし、更年期の女性にも多くみられます。
*手足がすぐに冷たくなる
*手足がしびれることがある
*しもやけ・あかぎれができやすい
*肩が冷えやすく、痛くなることがある
*月経痛がひどい
*トイレが近い
*風邪をひきやすい
3つ以上あてはまる人は冷え症要注意です。(資料提供:株式会社ツムラ)
冷え性が慢性化すると免疫力が下がる
「単にカラダが冷えているだけで我慢できるし……と思っていませんか?」
ズバリ、体温が下がると、免疫力も下がります。
冷え症は体温が低下することそのものではありませんが、身体を冷やす生活習慣で冷えが積み重なると、慢性的に体温が低下してしまいます。
なんと、60年前とくらべて、女性の平均気温は1℃低下していることがわかっています。
そして怖いことに体温が1℃下がるだけで、免疫力が30%も低下するとも言われています(つくばセントラル病院:岡村真子医師参照)。
免疫力が低下すると、ウイルスやバイ菌などの病原体に対する抵抗力も弱まってしまいます。加えて言うと、がん細胞は35℃台で最も増殖しやすいので、体温は下がったまま放置するのは良くないですね。
身体の温度が1℃下がるだけで病気になりやすくなるなんて……冷え性、侮れません。
冷え性の対処療法
女性は冷え性に慣れてしまっているので、なかなかアクションを起こしにくいかもしれませんが、上記でも話した通り、冷え性は病気の元。たかが冷え性といって放置しないことが大切です。
大事なのは、まずはちゃんと医師に相談することです。
冷え性って病院で治療するもの?大げさな……と思ってしまいがちですが、万病のもととなる冷え性に対する治療方法はたくさんあります。
冷え性を西洋医学的な薬剤を使って治療することは、基本中の基本でとても大事なことなのですよ。
冷えには漢方薬がオススメ!
「でも西洋医学では病気と捉えにくいのでは…」と考えていらっしゃる人もいるでしょう。
確かに、冷え症は自律神経能のアンバランスによることが多いので、女性ホルモンが深く関係しています。そのため、病気の原因を直接・間接的に除去するとうい西欧医学的アプローチが難しいのも確かなのです。
だからといって諦めることはありません!
こんな時こそ漢方の出番です!
冷え症の治療には全身の「気」「血」「水」のバランス改善が大事で、その人の体格や症状、それぞれに見合った幅広い漢方薬が処方されます。
冷え性は「虚証」に特有と考えられがちですが、「中間証」や「実証」にも冷えとのぼせが混在することもあり、単に冷え症といっても人によって使う漢方は千差万別。
医師の診断を受けて薬を選ぶ事が大事です。
*虚証…体力がない状態、元気がない状態、パワーが足りない状態
*中間証……虚証でも実証でもない状態
*実証…体力が十分有る状態、元気が有り余った状態、パワーが余った状態
漢方では症状はもちろんのこと、個人の体質に見合った薬を選ぶ事が大事です。個々の症状や特性に合った薬を選んだ結果、冷えの他の症状も同時に改善させることもできるのです。
主な処方される漢方としては当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、神味逍遙散、温経湯などが使われることが多いです(ツムラとクラシエが多い)。
漢方処方例
◆足冷えが強く、下腹部痛や月経痛がある場合
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
◆手足のほてり、足腰の冷え、月経不順がある場合
・温経湯
◆のぼせる、足冷えがある、肩こり、月経痛がある場合
・桂枝茯苓丸(ツムラの顆粒がどうしても飲めない場合はクラシエの錠剤があります)
◆疲れやすく、苛立ち感があり、月経不順がある場合
・加味逍遙散
ライフスタイルの見直しが健やかでキレイな身体に直結する
漢方薬と同時に、ライフスタイルの改善も必須です。
冷え症には、よいバランスの取れた生活習慣が何よりも大事です。
食生活でいえば、身体を温める食べ物を積極的に摂るといいでしょう。
しょうが、にんじん、たまねぎ、ごぼう、れんこん、じゃがいも、鮭、サバ、牡蠣、鯵、さんま、納豆、キムチ、チーズなどがオススメ。
寒冷地で育つ発酵食品なども良いですよ^^
入浴や衣服なども医師からアドバイスがもらえるので相談してみましょう。
また、鎮痛薬の使い過ぎ、無理なダイエット、睡眠不足、ストレス放置、運動不足などは冷え性を助長する習慣です。
「頭寒足熱」を心がけて、睡眠や食生活の見直しをしてみましょう!
冷え性を改善すると見た目にも変化が表れてきます。
体温が1℃上昇すると、身体の代謝は13%も増加します。そうすると代謝があがって太りにくくなりダイエットにも効果的です。
美しく元気な肌に必要なのは、血色の良さ、つまり、血液の流れを滞らせないことです。
ほんのり赤いくちびる、ポっと明るい頬など、血色のいい温かい肌だと若く健康にみられますよね。
冷え症を改善する努力をしていると更年期の症状も軽くなり、更年期が幸年期になると言われています(うまいこと言いました)。
冷え症を放置してしまうと、肩こりや頭痛など、さまざまな身体を不調を招いてしまうので、しっかり対策したいですね。できることから、ちょっとずつ、です。
日常生活でできる事をちょっとずつ取り入れて、身体ポカポカ健康生活とキレイな身体を手に入れましょう♪
長くなってしまいました、今回はこのへんで(^^)/
レディースクリニック・サンタクルス・ザ・ウメダ/TEL:06-6374-1188
大阪市北区茶屋町10-6 茶屋町リュクスビル7階