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小心ズ、ワールドコメディの旅「北米フリンジの魅力」

ミスしゃっくり

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こんにちは!

カマキリの子どもに出会ってわくわくしているヤノミです。お元気ですか。

さて、今回は北米フリンジツアーのあれこれについてご紹介してまいります!
Hope you enjoy it!

私の連載コラム、この第4回からいきなり初めて読んでくださっている方のために、ちょっとだけおさらいいたしますね。

□ヤノミとは?
コメディエンヌ。アメリカ、カナダなどを中心に世界中でコメディを上演しているビール好き
□フリンジとは?
世界各地で開催される演劇祭。あらゆるひとに表現の場を与える、オープンでフェアなスピリットを基盤としている

詳しくはぜひ連載1~3回をお読みくださいね~!
1回:小心ズ、ワールドコメディの旅「はじめまして!」
2回:小心ズ、ワールドコメディの旅「そして、海外へ!」
3回:小心ズ、ワールドコメディの旅「最高のバズ!

北米フリンジ

シンシナティ・フリンジバー

ヤノミa.ka. ケセランパサラン、シンシナティ・フリンジバーにて©photo by Jeff Burkle

カナダとアメリカには北米フリンジ連盟という組織があり、そこに登録されているフリンジが各地で春から秋にかけて順番に開催されます。

その数なんと30を超えるのです!

地元のフリンジにのみ参加するカンパニーもいれば、およそ5ヶ月をかけて北米中のフリンジをツアーして生計を立てているツアーアーティストも存在します。

このツアーは「フリンジ・サーキット」と呼ばれており、非常にダイナミックであり、過酷でもあり、そして人生が変わるほど豊かなものでもあります。

私が人生初のフリンジ・サーキットを経験したのは2010年、また人生初のソロツアーでもありました。

4ヶ月半にわたるそのツアーで、かけがえのない友人たちに出会い、5つのアワード(賞)と数々のレビュー(批評)をもらい、そしてお金がなくてまともに食べられず、空腹の日々でもありました。

その後も2012年、2013年、2015年とツアーを行います。

たとえば私の2015年のツアーはこんな感じでした。

・オーランド(ディズニーワールドで有名)
・シンシナティ(オハイオ州だけど、河を渡るとケンタッキー州)
・モントリオール(北米のパリ。シルクドソレイユ本拠地)
・レジャイナ(とっても小さな町。16演目が上演される小さなフリンジ)
・ウィニペグ(真冬はマイナス40度にもなる)
・カルガリー(1988年 冬季オリンピック開催地)
・エドモントン(北米最古のフリンジ。規模も大きい)
・ビクトリア(花であふれる夢のような島)
・バンクーバー(2010年 冬季オリンピック開催地)

ポスター

びっしりと並ぶポスターたち。2015年ウィニペグ

憧れの人気パフォーマーと共演!

この年の思い出のひとつは、オーランドでブルーマンのショーを観たことです。

ブルーマンは世界中で大人気の青い顔の男3人のパフォーマンスで、無言劇。

小心ズは初期の頃からブルーマンに憧れていました。

私はなんと客上げという栄誉にあずかり、ステージ上にあげられてブルーマンと共演させられ、客席から大爆笑を受けたのでした

終演後、ロビーにいたブルーマンの一人にお礼を言って、一緒に記念撮影もしてもらった時。ブルーマンが辺りを見回し、声をひそめてささやいたのです。

「君のショーをこないだ観たよ。素晴らしかった!」

なんと、彼はフリンジで私の作品を観てくれていたのです!

憧れのブルーマンと!

憧れのブルーマンと!

思いもよらない奇跡のようなことが起きる、フリンジ・サーキット。

舞台の道具と衣装とメイク道具、ほんの少しの私服、パソコン、カメラなどなど、ツアーの際の私の荷物は、

✓スーツケース(23kg)2つ、
✓バックパック(10kg)
✓規格外の舞台道具

でした。

移動につぐ移動で、この当時、腰と背中と膝が限界を超えておりました。

ツアー中はハプニングやドラマがいっぱい!

荷物

2015年ツアーの荷物。それぞれに名前があります。左から、黒じい、ヘンテコリッパ、雁パック、これに加えてさらに規格外の大きな舞台道具がひとつありました!

さて、ツアー中は、野性の勘や、サバイバル能力がとても大切です。

ちなみに私は見知らぬ土地ではコンパスも使います。

連盟に加盟している多くのフリンジでは、似たようなシステムが採用されていて、それが「すべてのアーティストに表現の機会を与える」という自由で平等なフリンジ・スピリットを実現しています。たとえば、

・出演の権利は抽選で決まる(作品の審査も検閲もない)
・各作品の上演時間は60分(例外もあり)
・各カンパニーに5〜7回の公演が与えられる
・チケット収益は100%アーティストに還元

アーティスト側が支払う一律の参加費は良心的な価格で、以下のものが保証されます。

・上演会場=venue ベニュー(劇場のほか、体育館や教会やバーや会議室などの場合もある)
・音響照明スタッフ=tech テク(たいてい1人で両方やってくれる)
・プログラム掲載(フリンジが正式に発行する全演目のカタログ)
・ホームステイ先=billet ビレット(フリンジ事務局が斡旋してくれる)

これまでに延べ何十軒という他人のお宅に滞在してきた私。

「ビレット」と呼ばれるホームステイ先のあちらこちらで、それはもうたくさんの面白い出来事や感動や、困ったことがありました。

…が、それはまた次回に。

今回もおつきあいありがとうございました。

楽しい7月を~! Love & beer!


							

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