「カーテンの向こう側①」

婦人科 診察室 おしゃべり婦人科医の 「聞いて欲しいアソコの話」

みなさん、こんにちは!

大阪なんばクリニック 婦人科医長の藤田由布です。

前回のクラミジアのお話、反響いただきありがとうございます!

皆さまの心身を健やかに整え、QOLの向上に繋がればこんなにも嬉しいことはありません。

さて、今週は少し目線を変えて、婦人科(レディースクリニック)にまつわるお話をしていきたいと思います。

婦人科に行ったことがない人や、検診が不安な人はぜひ、参考にしてみてくださいね^^

プライベートでデリケートな婦人科検診

花 オーキッド

婦人科ってなんか敷居が高い、何をされるか分からない……

このように思う方も少なくないと思います。

また、過去に婦人科で嫌な経験をされた方も少なくありません。

心無い言葉をかけられた、股を開けたまま長時間放置された、ナースやドクターのひそひそ話が聞こえた……

など、「もう二度と婦人科なんか行くか!」と憤慨される方もいらっしゃいます。

無理もありません。

痛いほど理解できます。

残念ながら、デリカシーに欠ける婦人科は未だに存在しています

婦人科ほどプライベートを曝け出す場所は無いでしょう。

ましてや男性の医師となると身構えてしまうのは、女性としては当然のことです。

気軽に婦人科なんか行けるもんか!

……という気持ち、ごもっともです。

だからこそ、私たち婦人科医が、もっと現場で努力しなくてはならないのです。

そこで今回は、婦人科のバックヤードを丸ごとお見せしようと思い立ちました。

そうです、婦人科内診室のカーテンの向こう側はどうなってんの?を皆さまにお話いたします!

独特で存在感がある婦人科の「内診台」

婦人科 内診台

ゼリーやお薬などで汚れても大丈夫なように、清潔なシートを1人ずつ取り替えます

婦人科といって思い浮かぶのが、あの独特の内診(診察)台ですよね。

私たち婦人科医にとっては、この診察台はあまりにも馴れ親しみ過ぎるものなので違和感なく操作するのですが、婦人科を初めて訪れる人にとっては摩訶不思議な椅子かもしれませんよね。

丸椅子でもなければベッドでもない、自動で動く診察台

これは婦人科ならではのものでしょう。

婦人科検診の「最初の関門」かもしれません。

特に慣れていない人や初めての人にとっては、緊張してしまうものかもしれません。

コツ……というか心構え的なものとしてなのですが、これはもう、

①完全に椅子に身を任せて
②最大限に力を抜いて
③背もたれにもたれかかってドーンと構えて
④昼寝をするがごとく座っちゃう

これに限ります。

きちんとイスに座ったことが確認できれば、椅子がゆっくりと動いて自動的に両足が開いていきます

股関節や腰などに支障がある場合は、前もって仰って下さると最小限の開脚ですむように調節します。

これらの写真は、カーテンを省略して撮影したものですが、普段は目の前にカーテンがあります。

つまり患者さんから見えるのは、目の前はカーテンのみ。

海外ではカーテンや仕切りさえない国も多くありますが、日本では殆どの婦人科ではカーテンが付いています。

婦人科 内診台2

医師側からみた診察台です

医師側からは、こんな風に見えています。

カーテンの向こう側からは両足と股しか見えていません。

こちら側で処置をする時は、軽く中腰の態勢になります。

モニター

カーテンの向こう側はモニター等も置いてあります

超音波の際は部屋を暗くするので、モニター以外は何も見えていません。

カーテンの向こう側で何か物音がすると「ええええ、何の音?」って思ってしまいますよね。

カーテンで区切られているからこそ、見えない恐怖があると思います。

だから、婦人科ではカーテンの向こう側は患者さんに配慮して、なるべく物音を立てずにそっと動作しているのです。

カーテンを開けてほしい場合は医師かナースに伝えてもらえれば、患者さんの意向に沿ってカーテンは開くことが可能です^^

医師が何をしようとしているのか、どんな表情なのか、どういう状況なのかを知って安心に繋がる方は、カーテンを開けてもらってくださいね。

アヒルのくちばしのような器具「クスコ」

クスコ

カーテンの向こう側で「カチカチカチ……」と音がすると、それはこの道具です。

「クスコ」という器械で、腟鏡のことです。

子宮の出口(=子宮頸部)を見やすくし、子宮頸がんの検査や腟の中のトラブルを診察するときに使います

クスコはアヒルのくちばしのような形をしていて、腟の壁を押しのけて奥の奥の方までちゃんと見えるようにします。

このクスコのくちばしの部分が、カチカチと音がするのです。

クスコ2

金属なので痛そう……と思いますが、そっと挿入して静かに押し広げるので痛みを感じることはほとんどありません。

耳鼻咽喉科で口を開けて、喉の奥を見てもらうようなイメージです。

この時も、できるだけリラックスして息を深くはくようにすれば楽になります

基本的に患者さんの体に触れるとき、診察を始めるときなどは医師側から必ず声かけをするようにしています。

このあたりのアプローチは医師によるのですが、少しでも患者さんが不安に感じないように、リラックスして診察を受けられるように配慮するのが医師の勤めでもあります。

「怖いな」「不安だな」「力が入ってしまいそう」など、少しでも感じたら医師やナースにお声がけくださいね。

まだまだ続く、婦人科の診察の裏側

婦人科 診察室

男性医師であっても、女性医師であっても婦人科へ行くのには抵抗がある方が多いと思います。

でも、こういうコラムを通じて少しでも不安軽減に繋がれば、そして婦人科は女性のカラダの味方である場所なんだということを知ってもらえたら幸いです。

来週も、引き続きカーテンの向こう側をお伝えしますので、ぜひご覧ください。

今、少しでもカラダに不安がある人、女性特有の悩みがある人は私のクリニックへお越しくださいね^^

それでは、また来週お会いしましょう。

yu

婦人科医/藤田 由布(ふじた ゆう)
〇大阪なんばクリニック 婦人科/医長
〇ヨーロッパと日本で医師免許を取得/気軽にだれでも来れる敷居の低い婦人科つくりを目指す
青年海外協力隊でアフリカのニジェールへ赴任後、アフリカ未開の土地で10年間活動。アメリカ財団やJICA専門家などの仕事を経て、ヨーロッパで医師になり、その後日本でも医師免許を取得する実力派。
大阪なんばクリニック/TEL:06-6648-8930
大阪市中央区難波5-1-60 なんばスカイオ 9F